益川敏英さん、11月の日本経済新聞「私の履歴書」に登場

日本経済新聞に毎月ひと月の連載が載る「私の履歴書」、11月1日から30日まで益川敏英さん(科学者九条の会世話人 2008年ノーベル物理学賞受賞者)です。

ノーベル賞を受賞したことで名前を知りました。そして、ノーベル賞授賞式の記念講演で、英語ができないということで、異例らしいのですが日本語で演説したとのエピソードで。さらにその後、科学者九条の会世話人のひとりということも知りました。

私の履歴書」、日本経済新聞の看板ともいえるものです。読者である私も関心を持った人のもののときは、掲載されている最終面から読むことにしています。

益川さんのものは面白い、私にとってはそうでした。第1回から、これも異例ですが、題字が本人の書であるはずなのに、悪筆だからという理由で活字でした。

ぜひお読みください、というのが私の本音です。内容を紹介するのが無駄と思わせるほど面白いのです。ある意味では猪突猛進、ある意味ではいちずな人間がはつらつと語っています。

本日24日が、第23回、そこでは、「小林・益川理論」を打ち立てた後、30年かかりましたが、予言は世界の物理学者の手で証明されたことに言及しています。益川さんは、論文発表後は、その継続的研究はされなかったようです。

6種類目のクォークが発見されたのが1994年、CP対称性の破れが2001年、CP対称性の破れの大きさが精密に測定されたのが2002年だそうです。それは理論の正しさを明らかにしました。「素粒子論の基本理論である標準理論が確認されたことも意味していた。」そうです。

論文を発表した若手のころは、教職員組合の活動も忙しかった人でした。大学で午前、自宅で晩と研究にあて、午後は組合の活動をしていたエピソードがすでに語られています。1日8時間や10時間は研究活動をしていました。切り替えの出来る人だったのです。それでも職場や周囲の理解や協力もあったからなのでしょう。

残り数日となりましたが、ますます目が離せません。

以上 (前荷 進) 091125