温家宝中国首相、国会演説と天皇との対話

 
来日した中国の温家宝首相、4月12日に国会演説を中国の首相として初めて行いました。その中で日中の歴史認識についても多くの時間をさいています。中国への侵略戦争への日本政府の「反省とおわび」を積極的に評価しているとし、「実際の行動で示されることを心から希望している」と発言しました。

また天皇とも会見、2005年12月の誕生日会見の「過去の事実についての知識が正しく継承され、将来に生かされることを願っています」との発言を評価したそうです。これに対し天皇も「年月がたつと忘れることも多いので、世界の人々との友好のためにと考えて発言したものです」と応えたそうです。(4月13日北海道新聞朝刊)

ますます結びつきが深まる中国から、過去の不幸な歴史を正しく乗り越え、いっそう手を携えあえるためには何が必要なのか、改めて投げかけられた機会となりました。

ところが、その国会演説のあった12日、国民投票法案と米軍再編推進特別措置法案を、与党自民党公明党はそれぞれ委員会で強行採決、さらに13日衆議院強行採決しました。その意味意図深く憂えざるをえません。「実際の行動」示すことがこれなら、日本がアジアと世界で肩身を狭くする道を、日本政府は選んでいることではないでしょうか。

以上 (前荷 進) 070414