ノーム・チョムスキー「お節介なアメリカ」その1

ノーム・チョムスキーの著作が9月にちくま新書より発行されました。題は「お節介なアメリカ」、2003年9月から2007年3月までニューヨーク・タイムズ通信社に寄稿した文章を収録したものです。

アメリカ市民としてどう行動すべきか、なにに期待すべきかなどにも言及したものとなっていることに時代と情勢の変化が反映していると受け止めました。1926年生まれの彼の「若々しさ」には驚かされます。

「わが国の政策を、革新的な方向へ転換させていくこと(多くの場合、国民の大多数の意見に合致したものしていくことと同義である)を望む者にとって急務なのは、十分に力をたくわえて、中央勢力にとって無視できない存在になることだ。これまでに生まれてきた変化への推進力には、労働運動、公民権運動、平和運動、女性解放運動などがある。これらは草の根から始まり、社会の根幹を揺るがしてきた。こうした運動は、あらゆるレベルで、日々着実的かつ献身的な努力の積み重ねによって育まれたものであり、4年に一度、選挙のときだけ行われるイベントではない。」(134ページ)

「というわけで、選挙では賢明な選択がなされなければならない。しかし、その選択は本格的な政治活動の大切さにくらべれば、2次的なことである。われわれにとって主要な課題は、ほんとうの意味で応答的な民主的文化を創造することであり、その努力は、選挙という派手な政治ショーが始まる前から、そしてその結果がどうあれ、終わった後も、続くのである。」(135ページ)

以上 (UT) 071003