福田内閣発足

9月23日、辞任表明した安倍晋三総理大臣のあとを埋めるため、安倍総裁の後任を選ぶ自民党総裁選がおこなわれました。福田康夫氏が、麻生派を除く派閥総ぐるみの支持で選ばれました。25日の内閣総理大臣指名選挙では衆院自民党の福田氏、参院民主党小沢一郎氏が選出されました。規定により、衆院選出の福田氏が選ばれ同日内閣を発足させました。父福田赳夫氏もかって首相を務めており、親子2代の首相が始めて誕生しました。

大半の大臣は留任、派閥の領袖が新大臣や党役員につらなるという「新体制」です。

野党の田中真紀子議員の新内閣についてマスコミのインタビューへの回答が印象に残りました。「今が絶頂」とコメントしたそうです。なかなかの鋭い指摘と感心しました。

内閣の前途はまことにけわしいものがあります。実態については国民にうそをついている「テロ特措法」の延長になりふりかまわずとりくもうという内閣ですからなおさらでしょう。福田総理自身、「背水の陣内閣」と表現しているのにも、その一端が現れています。

しかし、「テロ特措法」などの姿勢からいっても、議会や社会できちんと論議されていくならば、福田内閣魯迅の「水に落ちた犬はさらに打て」と国民が判断する可能性が高いことになるでしょう。今ひとりひとりが事態を個別でも全体でもきちんと見据えていくことが大切なようです。そして見え透いたうそはもとより、わかりにくくしているうそも見抜く力の涵養が求められています。

以上 (与謝名 阿寒) 070929