桂敬一さん発言に触発される どう時代にのぞんでいくか

12月29日北海道新聞夕刊「ニュースへの視点」で、桂敬一さんが寄港しています。

教育基本法が改正されたことで、「愛国心」を学校現場に教える義務が発生したこと、行政の介入の度合いを深める形に変わり「不当な支配」が拡大されていく道を開いた事に警鐘を鳴らしています。

また、防衛庁防衛省になることと一緒に改正された自衛隊法が、3条の本来任務を「わが国の防衛」のみを示していたのが、「周辺事態への協力」「国際平和協力活動」が追加されました。自衛隊の海外活動へますます傾斜しかねない改正についても、同様に警鐘をならしています。

桂さんは、月刊誌「論座」2007年1月号に31歳のフリーターが書いている文章にショックを受けています。「構造化した格差社会がこのまま『平和な社会』としてつづく限り、自分は一生その底辺から抜け出せない。」だから、変化(戦争でもよい)を求めるという内容だそうです。

時代閉塞の現状」がひとつ示されています。たいへん触発された文章となりました。

さらになんと北海道夕張市にも「時代閉塞の現状」の現れがありました。12月31日日本経済新聞社会面北海道14版で、「夕張市 職員の半数、退職希望」との記事が掲載されました。

財政破綻した夕張市の職員のうち、今年度の退職者が全職員の半数近い約150人となることが30日明らかになった。市の当初の想定の倍近い大量退職となるうえ、−−専門職員も少なくないため、行政運営に混乱が生じる可能性もある。」

まことに残念な記事として読みました。夕張市の行政に携わってきた地方公務員の人たちが雪崩をうって逃げを図っているというように自分には読んでしまうからです。思い込みすぎであり、すべてが逃げてなどとは思いません。しかし残念な思いは持ちました。管理職の人もそうではない人も、自分のことしか考えない人がだいぶいたのではないとの気持ちをぬぐえなかったからでした。困難や危機のときほど、出所進退はきちんとしてほしい、それが望まれることではないでしょうか。公務員としてやってきた仕事はどうだったのか、改めて感じてしまいました。責める意味よりも自戒の材料として受け止めました。

夕張市の財政が破綻していく過程の中、市役所としての職場としてもそこにあるだろう労働組合としても、どのような発言主張行動を行っていたのでしょうか。寡聞にして、よくわからないままです。ですからなおさら、あっというまの大量退職ということが現実化する事態を気を回して憂う気持ちになるのです。

論座」でのフリーター氏の発言、ひとつのことを改めて教えてくれました。「平和ボケ」ではいけないということです。「平和」がどれほどのものであるかきちんとわからずに、その恩恵に浴しているだけでは、フリーター氏のような声もでてくるということにも鈍感なことになってしまいます。桂氏の文章に感謝する気持ちとなりました。

イラクフセイン元大統領にも12月30日死刑執行、このことを含めて、そんな時代が2006年だったということで暮れようとしています。2007年は新たな踏み出しの年にしていきたいし、なっていってほしいものです。

以上 (世話人) 061231