ブッシュ大統領の「反省」

12月3日の朝日新聞のインターネットニュースが、12月1日米国テレビABCのニュース番組によるインタビューに対してブッシュ米大統領が答えた内容というのを報道しました。どのくらいの長さのどのような内容のインタビューとそれにたいする回答かがはっきりしませんが、次の内容が含まれたものだそうです。

イラク戦争についてこう語りました。
「大統領の職にあった中で、最大の痛恨事はイラクの情報の誤りだった」
「私は戦争に対する心構えができていなかった。戦争を予期していなかった。」

戦争をはじめた最高責任者、そして現在も大統領である人物の発言です。まことに「率直な」発言です。ブッシュ氏の後継者を大統領に選出しなかった、イラク戦争を間違いだったと考えるアメリカ国民の声と行動による結果だといえ、実質的に「過ち」を認めたのではないでしょうか。不十分であっても逃げがあったとしても、少なくとも本人の「責任」を視野に入れた発言です。

すでにイラク開戦と戦争は、歴史の上でも評価が定まったと考えてよいのではないでしょうか。

こうなると、あとは、日本の米国追随した盲従派がどう自らの意見行動を総括するのを見たいものです。あいまいにし続けても、記憶と記録が彼らの行為を問い続けるでしょう。

アメリカが一方的に起こした戦争に疑問と反対の声をあげた世界の人々にとって、そのことが間違っていなかったことを改めて確認する機会となりました。しかもそれをブッシュ大統領本人の言葉で裏打ちしてくれたのです。ボタンのかけちがいは正されていく方向が見えてきました。

今年完成し封切られた、藤本幸久監督のドキュメンタリー映画アメリカばんざい」は、今国内各地で上映されています。まさに間違いが自国民にもひどい結果をおよぼしてしまう米国を告発、批判する米国市民の声と行動をとりあげた内容です。今後は、またの間違いを起こさないためにも、どんどんと観られることになってほしいものです。

以上 (あほうどり) 081209