8月25日田母神俊雄氏選挙応援演説報道に考える

『田母神氏 広島の平和記念式典批判 「参列者左翼ばかり」

田母神俊雄航空幕僚長は25日、宮崎市の街頭で衆院選宮崎1区から無所属で出馬している前職の応援演説を行い、6日に広島市で開かれた「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和祈念式典)について「参列者は被爆者も被爆者の2世もほとんどいない。全国からバスで集まってきた左翼ばかりだ」と批判した。
さらに「式典は日本弱体化の左翼運動だ」と述べ、「こういった事実をマスコミが隠ぺいする」とマスメディアを批判。「普通の国民が知れば式典に対する受け止め方はまったく変わってくるはずだ」と述べた。』(北海道新聞8月26日朝刊第3社会面16版)

当日には気がつかず、翌日読み返していて「発見」し、その発言内容に驚きました。ご本人は首尾一貫した主張の一部を述べただけと思っているかもしれません。

田母神氏は「戦後生まれ」です。防衛大学を卒業し自衛隊に入り、航空幕僚長までのぼりつめました。しかし懸賞論文に応募しその内容が問題ありとして更迭されました。そして辞任して民間人になったいま、当時の主張そのままの(もっとエスカレートさせているかもしれませんが)講演を全国で行っています。日本会議なる団体の場でが多いようですが。

新聞報道の彼の発言でいうと、式典に参列し発言した麻生太郎総理大臣も左翼、です。はたしてマスコミもそのことを隠ぺいしているのでしょうか。私より若く、戦後生まれの田母神氏、私から言わせれば「戦争を知らない子供たち」のひとりです。そのひとりが大人になりました。更迭されたときの発言なり、今回の発言なりを行っている大人になったのです。

彼が生涯の職場として選んだ自衛隊、さかのぼって防衛大学からでも、何を学び自分の考えを固めていったのでしょうか。彼は税金から給料をもらいながら、そうなっていったのです。彼は、私とは「平和」についての考えはだいぶちがうようですし、他の人にとってもそのまま受け入れる人が多いとはとても思えません。自衛官(現役もOBも)も数多いのですから、彼のような考え意見の人ばかりなわけはありません。「税金泥棒」という言葉があったことを思い出しました。

しかし、「言論の自由」のあるいま、そんなことは言うなという言い方もしないほうがよいでしょう。少なくともいっしょうけんめい言っているのです。各種田母神発言を考える、そしてそれぞれが評価する、それからがはじまりであり、おのずからの結果になっていくのではないでしょうか。応援演説をしてもらった前職候補、どんな気持ちから頼んだのでしょうか。投票日は30日、まもなくです。

以上 (あほうどり) 090827