「居酒屋のムッシュ 素顔の加藤周一」

朝日新聞夕刊の8月26日から28日まで3回にわたって「居酒屋のムッシュ 素顔の加藤周一」が連載されました。昨年12月89歳で亡くなった加藤周一さんのことをとりあげたものです。ムッシュとは、異国にあって年齢や社会的地位からも自由なひとりの男の意味だそうです。

1990年から京都で6年間50回にわたり、加藤氏を囲む勉強会が開かれていたそうです。「東京を離れ、京都の居酒屋でも、加藤はムッシュになれた。」とあります。

そのせいかどうか、「良くも悪くも評論家で、当事者になりたがらなかったという」加藤氏が2003年秋に小森陽一東大教授に次のように働きかけたそうです。『改憲反対の運動を呼びかけなければ、手遅れになる』『いくつにも分かれている護憲運動を、知識人が協力して一つにつなぎたい』。2004年6月加藤氏自らも呼びかけ人となった「九条の会」が発足しました。

「矢島(翠さん 加藤氏の妻)はこうも言った。『晩年の加藤は、ピラミッド型の組織ではなく、生活を持つ人たちが集まり、緩やかにきずなを広げるコミュニティー感覚が、平和を守ることにつながるのだと言っていました』。目指したのは、一人ひとりが手をつなぐ緩やかな組織だった。」

九条の会」が発したアピールを受けて、それに共感する動きはしっかり芽吹き拡がりをつくりました。今各地各分野の九条の会は、全国に万に近づく草の根の組織を広げるに至りました。昨年末に発足した私たち「グリーン九条の会」もそのひとつです。この朝日新聞の連載は、触発され呼応したささやかな取り組みを振り返る機会を私に与えてくれました。(引用文章は「居酒屋のムッシュ」からです)

以上 (あほうどり) 090828