1998年の沖縄県知事選で使われた「官房機密費」 鈴木宗男氏「新潮45」12月号に手記

雑誌「新潮45」12月号に、鈴木宗男氏が手記(別の内容の前号に続き第2弾)を掲載しています。題して「国民の税金『官房機密費』 私の知るすべてを明かす」、本人が官房副長官を体験した時のことに言及しています。

鈴木宗男氏によると官房機密費(内閣官房報償費」は、国の予算で年間14億6千万円、他に外務省の外交機密費からの「上納分」が上乗せされ、1998−99年は年額34億円だったそうです。

この使途は今までずっとあきらかにされていません。一例として2009年9月政権交代に際し、退く河村武夫官房長官は2億5千万円を引き出し持ち去りました。河村氏は説明責任があると鈴木宗男氏は言っています。時の権力者の恣意で国民の税金が使われていたとすれば、そのようなことはやはりなくしていかなくてはなりません。

またもっと驚くべきことがあげられています。1998年11月の沖縄県知事選挙で当時の小渕内閣が、機密費から3億円を稲嶺候補のために支出したと当事者として生々しい発言を行っていました。
「平成10年の自由民主党沖縄県連と、稲嶺恵一氏の政治資金団体『沖縄の未来をひらく県民の会』の収支報告書を見れば、東京からいかに多額の資金が流れていたか一目瞭然です。」

今行われている沖縄県知事選挙、政権党の民主党は現職再選期待の立場です。内閣機密費がまた使われることのないようにとの訴えをこめた発言です。

発言内容がどれほど真実であるかはこれからかもしれません。しかし注目すべき発言を行ったことは確かです。

鈴木宗男氏、どうやら自分だけ地獄行きには決してならないとの気持が固まったように思われます。本人がうまい汁を吸えるうちは外にださず、自分は刑務所に収監されるとなると、悪いやつは自分だけではないことを外に出す、宗男氏らしいふるまいなのでしょうか。私には理解しがたい言動です。首尾一貫していないという意味で。しかし発言内容は、本人の反省と間違いを繰り返さない警鐘をともに含んでいます。前向きに受け止めたいと思いました。

以上 (与謝名 阿寒) 101122