日本共産党は市民権を得ているのですね

月刊誌文藝春秋2011年1月号(つまり新年号)を読みました。そのなかに「特別企画 弔辞」がありました。てっきり2010年に死去した人への弔辞を収録したものと思ったら違っていました。

文藝春秋は10年前に同じような企画をしているらしく、いわば過去10年間のなかでということだそうです。選者が元朝日新聞「素粒子」執筆者の河谷史夫氏、現読売新聞「編集手帳」の竹内政明氏のふたりです。10年ぶり企画だということ、外部の人による選択をさせていること、二人の対談がついており知りました。45名の故人に対する弔辞が掲載されています。

最近亡くなった井上ひさし氏への弔辞を大江健三郎氏が行っており、それが最後を飾っています。目次でそこに目がいき、買いもとめ、45名全員分目を通しました。

驚いた(私だけかもしれません)のは、宮本顕治氏への弔辞がのっていたことでした。日本共産党の最高指導者として戦後長く活動された人で、戦前は文芸評論家としても注目される作品を書き、弾圧の中で非転向を貫いた人です。そして弔辞は後継委員長であった、不破哲三氏のものです。2007年の葬儀の際に述べられたものでしょう。

評価に値する人の死、内容ある弔辞と、文藝春秋も認めたからこその掲載でしょう。しかし、宮本氏も不破氏もまっとうな(まったくの)左翼の立場の人です。文藝春秋も幅も懐も広いものだと思いました。これま私の浅見にすぎないのかもしれませんが。

不破氏、最近読売新聞の「時代の証言者」に11月1日から登場、12月11日に連載(全29回)終了しました。これも驚いたひとりが私です。

日本社会の中に日本共産党は市民権を得た存在になっていること、読売新聞と文藝春秋から教わりました。

このふたつの前に、青森県在住の知人から、新聞記事のコピー送られていました。故津川武一氏(日本共産党の県会議員、国会議員を歴任しました)が生誕100年ということで地元で記念行事が行われましたが、それについてのものでした。陸奥新報7月27日社説と東奥日報8月2日「天地人」でした。ふたつとも、津川氏が大きな足跡を残し、それらが引き継がれていることを、伝えてくれているものでした。冷静かつ暖かい書きぶりでした。党派を超えて誰もが認める存在であったこと、私にも理解できました。

日本共産党、見る人から見れば市民権を得た評価すべき存在となっていたのです。ようやく私にも届くことになりました。ただ、そのわりには、選挙での結果はいまいちではないかそれはどうしてかというのが、私のひが目なのですが。

以上 (世話人) 101216