エジプト・ムバラク政権の崩壊の示すものは

2月11日、エジプトでムバラク大統領が辞任、30年にわたる長期政権が崩壊しました。広範な国民の民主化要求によるものです。デモなどの行動が大規模に行われ、30年のムバラク氏の政権は幕を閉じました。かってのイランの王政崩壊も2月11日だったそうです。

ムバラク政権が独裁政治といわれるものであったこと、国民の生活がかえりみられていないする国内不満がうっせきしていたこと、などは今回までぼんやりとしか認識していませんでした。したがって、1月のチェニジア、今回のエジプト、急展開な事態の進展は私には驚きの連続でした。インターネットの影響も大きい民主化要求のドミノ現象であるそうです。

ムバラク親米政権は、米国から年15億ドルもの援助(軍事ものが多いそうです)を受けていたとのことも報道などで知ったことでした。以前からそれだけエジプトの現政権を支えるのに懸命だった米政権が、オバマ大統領の演説等に示されたように引導を渡す態度を早くとったことは、いかに事態が深刻であるかを知っていたかということにもなります。

米国は、自国に有利とみれば他国では独裁政権を擁護、延命に手を貸してきました。そして見限ると叩き潰すことも。中東ではイスラエル支持からサウジアラビアを筆頭にエジプトなども含めての支援国づくりに努めてきました。民主主義を口にする米国が他国に対してはまことに「矛盾」した態度を取り続けてきたのでした。その破綻が、中東の中心国エジプトでも表れてきたとも言えるのでしょう。その国のことはその国の国民が決める、それに棹差してきた米国のやり方の破綻は決定的ともいえる段階になったかもしれません。

国際社会も新しい関係づくりに進む段階に踏み出したのではないでしょうか。日本も今の現状でよいのだとはなおさらいえなくなってきたのではないでしょうか。

2月2日、札幌で沖縄県知事選の候補として惜敗した前宜野湾市伊波洋一さんの講演会があり、知らされたことから参加しました。地元の招きに応じて、足を運ばれたようです。

伊波さんのお話、当選した現職も、選挙の時から普天間基地の県外移設を言わなければならなくなったことに示されるように、県民の気持ちはもうとどめられないところにきている、ということを県民のひとりとしても語られました。移転に名を借りた米軍基地新設もだめ、基地がなければ経済発展は大きいものがある、との県民の認識についても。

伊波さんのお話を聞いて、当選させられなかったのは本当に残念だったと、強く思いました。伊波さん、さらに活動を広げ継続されているようで、札幌の講演会それも感じさせてくれる機会でした。エールを送っていきたいものです。

以上 (世話人) 110213