ブッシュ前米大統領の痛々しい言い訳と居直り

4月の日本経済新聞私の履歴書」、ジョージ・W.ブッシュ前米大統領が登場しています。なかなか率直な発言ぶりで、その意味では面白く読んでいます。

4月20日の第20回が、題して「大義喪失 大量破壊兵器はない 2つの過ちと揺るがぬ思い」でした。2004年秋、自国の調査団が報告書で、(イラク戦争の理由とした)大量破壊兵器(WHD)はなかったと結論づけました。

それを受けてブッシュ氏はこう述べています。

「その後、何年もの間、自問を繰り返した。一体なにが間違っていたのだろうか、と。やがて2つの過ちを犯したとの結論に達した。」

それでその結論はなんだろうかと思ったら、「イラク国内の治安回復にもっと迅速、かつ積極的に取り組むべきだった」ことと「WMDをめぐる情報が間違っていたことだ」でした。間違った情報と思い込みで悲惨な戦争をしかけたこと、戦争がひきおこしたこと結果についての、責任回避いなおりともいえる強弁です。そして戦争を始めた責任をいまでも自ら支持していると言っています。間違いなく居直りです。

当時の米国国民の遅れたレベルが、こんなこじつけで自己弁護する大統領を生みだしたのです。懸念し批判する声も大きかった中で、当選ではありましたが。ある意味では、米国民は多くの人が反省し成長し、後継大統領選出にあたってはそれが反映されたようです。

この痛々しいいいわけ、こじつけとしかいえないようなものと私は思いました。本質を隠すイチジクの葉っぱともいうべきものではないでしょうか。でも少なくとも本人自身の口から、重い現実とむきあったこと、過ちを認めそれについての自身の見解を述べています。それは認めなくてはなりません。

それにくらべると、ブッシュのポチとよばれた日本の小泉純一郎首相(当時)は、いまだに説明なく居直っている状況です。それを許している国民(私もその1人です)のレベルはさらに押して知るべしです。ブッシュ以上に「脳天気」な政治家にすぎなかったようです。

三流の国民が三流の政治を選択していること、私も少し心がけを改めていこうと反省することになりました。

2011年4月21日 与謝名阿寒