5月19日オバマ米大統領中東情勢演説

オバマ米大統領が中東情勢についての演説を5月19日国務省内で行いました。イスラエルパレスチナの中東和平交渉について次のように言及したようです。北海道新聞20日夕刊から引用します。

イスラエルパレスチナの将来の境界線は、イスラエルが占領地を拡大した1967年の第3次中東戦争前の状態が基本との考えを示し、イスラエルに譲歩するよう求めた。」

1967年以降のことについて、もどるべきと発言した米大統領は初めてということです。当日19時のNHKテレビニュースでもきわめて注目すべき発言と世界で関心がよせられているとコメントつきで報じていました。

これまで、イスラエルを支えてきた最大の柱が米国であったことは周知の事実です。容認の姿勢を貫き、毎年数十億ドルの援助をつぎこんできました。米国にとって中東の監視役を果たしてきてもいました。核兵器も保持し、領土拡大一途の強硬姿勢を通してきていました。

その相手に対して、真っ向からの異議申し立てです。イスラエル首相はただちに受け入れられないときりかえしている状況です。

米国のダブルスタンダード基準の存在がありますし、しかも具体的な方策抜きの発言のようですから、どこまで本音であるのかはこれからになるでしょう。しかし、現在の中東の民主化の動き、現実の世界情勢などから、米国自体がこれまでの基本姿勢を転換するかもしれない内容で、重い発言です。そこまで世界は激動なのかとの見方もできるでしょう。大きな一歩だったと評価されるようになることであればうれしいことです。

本当の意味での大きな決断であることを期待したい気持です。オバマ大統領の暗殺の危険、これにより高まったと考えるのは考えすぎでしょうか。

戦前の大日本帝国、中国満洲の権益固守し、戦争の拡大と敗戦となっていった歩みを思い起こしました。イスラエルが、歴史から学んでほしいものと願う気持です。世界の大勢(まっとうな流れであれば)に逆らってもだめだということははっきりしているのですから。

2011年5月21日 世話人