稲葉圭昭さんインタビュー報道

週刊朝日2011年12月9日号で、「恥さらし 北海道道警 悪徳刑事の告白」の著者、元北海道警察警部稲葉圭昭(いなば・よしあき)氏のインタビュー報道がされていました。年明けに人から教えられ、記事も読みました。

稲葉氏が「恥さらし」を出版したことがきっかけとなったインタビューのようで、本の内容を要旨解説することが主眼の本人の語り口でした。生々しい発言です。北海道警察は「コメントを差し控える」との姿勢のようで、「北海道警察幹部、函館税関事実関係を否定」との見出しつきで週刊朝日取材に回答しているとインタビュー記事に付記されています。

インタビューの最後に出版の動機を述べています。
覚せい剤に手を出してしまったことは警察官として恥ずべきこと。そんな自分が『泳がせ捜査』で大量の薬物を国内に入れてしまった。多くの人が今も薬物中毒で苦しんでいるのではないかと思うとーー。上司は責任を取ることもなく、署長になった者もいます。逮捕されてから、検事の取り調べや自分の裁判でも違法な『泳がせ捜査』の概要を話してきましたが、検察も道警も取り合いませんでした。私にできることは、あの捜査の全容を出所したら全部話すことしかない。それが自分にとっての最後の清算だと獄中で思っていました。
その証しの一つとして、今年10月に「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白(講談社)を出版しました。」

北海道新聞がかって北海道警察の裏金問題報道に果敢に切り込んだことは、とりわけ道民にとって周知の事実です。後になって、2006年5月に元道警総務部長佐々木友善氏が北海道新聞などを相手に名誉棄損で民事訴訟を提訴、最高裁まで裁判が続きました。「市民の目フォーラム北海道」のホームページに経過など紹介されていました。

佐々木氏はまだこだわりを捨てていないとか。筋を通して納得をしていきたい人柄のようです。しかし、「恥さらし」と「週刊朝日12月9日号」の内容につき、道警幹部として稲葉氏と時期を重ねていただろう佐々木氏はどういう感想意見をお持ちなのか、と私は思いました。稲葉氏もたいへん筋を通す人と私は感じたからです。裏金問題の被害者ともいえる稲葉氏の告白に対しては、本なり週刊朝日を読んでいるとしたら、佐々木氏ご本人はどう答えるものなのでしょうか。

2012年1月16日 世話人