「日本新聞協会の消費税の軽減税率を求める決議」やはり問題ととらえる

しんぶん赤旗日刊紙10月21日号に、元朝日新聞編集委員落合博美氏が、「新聞のいま」と題したインタビュー記事に登場していました。

多岐にわたり発言をしていますが、直言の内容には驚きました。とくに私の関心をひいたことがふたつありました。「権力の代弁者になるな」との大見出しに関連したことについてと、16日青森での新聞大会での「消費税の軽減税率を求める決議」についてとです。

「新聞がこれ(公権力の監視)を失ってしまえば、単なる情報誌です。多くの読者の信頼を取り戻すためには不退転の覚悟が必要です。」

最後に上記でしめくくられており、これは大局観ある愛情からの警鐘と受け止めました。

「大手紙は異様なほどの熱意で増税不可避論をあおり続け、翼賛報道が目に余りました。それでいて、新聞だけ消費税を軽くしてくれとは、『恥ずかしげもなく、よく言うよ』のひと言です。」

消費税の増税にむかっての日本新聞協会の決議について、どうしてそういう決議をするのか、と不思議に思っていました。おかしいのではないかと指摘する人も声がとどくところにいて、同感したばかりでした。そんなところに私たちのような読者の立場ではない、新聞業界に身をおいてきた落合氏の身内告発発言を目にしたのです。内部に身をおいた人でもそうかと知らせてくれました。

消費税の税率アップ増税は、新聞経営にも多大の影響を及ぼすものであること、その直接の打撃は深刻なものであること、新聞各社はわかっていたようだとの思いを持ちました。それなのに濃淡あるにせよ税率アップ増税やむなし発言を続け、法案成立後衆を頼んで自分たちには軽減税率適用希望決議はなんなのでしょう。さらに「広告課税」や「再販制度見直し」を新聞各社は恐れていると落合氏は伝えてくれました。建前と本音、乖離しているのでは、が疑問です。それでは読者はたまったものではない、との思いです。

2011年の3.11以来、いろいろな意見に目を開くことが足りなかった、もっと聞かなければ、読まなければ、となって今にいたっています。納得したり同感したことは、率直に認めてそう人にも言おうとなったからです。その意味では新聞各紙からも気づきを、それまで以上に受け止めてきました。その新聞各紙も、光と影、まだら模様もあるのかと、残念な気持ちも含めて今日新たな思いです。

しんぶん赤旗も、今日のような記事で、気づきを与えてくれています。自分なりに咀嚼する努力しながら、そこからも納得したものは認めていこうと考えています。

国民の生活を冷やす消費税税率アップ増税、直面する深刻な課題です。いろいろな声を聞きながら自分に正直に問うと、やはりストップの道見直しの道を選ぶしかない、そんな考えがさらに固まりました。みんなの力と声がなくては実現できません。どうするか多くの人のご指導もいただきたいところです。

2012年10月21日 前荷 進