「しんぶん赤旗」で注目した記事について語ってみよう

しんぶん赤旗」を私は日刊紙日曜版ともに購読しています。最近注目した記事をとりあげてみました。あまり他紙と比較して論評したり、そのものへの論評は、関係当事者も含めて活発ではないようですから、多少の意味があるかもしれません。

しんぶん赤旗」日刊紙1月4日号1面トップは「日本は活断層だらけ 原発存続の余地なし 安倍政権は再稼動・新増設狙うが」でした。日本列島を走る活断層の状況を図「日本周辺の活断層の分布と原発の位置」(「新編日本の活断層東京大学出版会」などをもとに作成)でも示しています。

私見ですが、百歩譲って現存の原子力発電所建設当時には活断層というものについてよくわかっていなくてやむをえなかったかもしれません。しかし、今の学問の進展とわかったことの到達点からいうと、新増設はもとより、再稼動についても容認はなかなかできないものであることがはっきりしてきたようです。原子力規制委員会の専門家チームが大飯原発美浜原発志賀原発高速増殖炉もんじゅ、などで調査を実施あるいは予定しています。その判断がでてくることを固唾を呑んで見守っていく必要があります。

また1月1日号では、増ページ第2部25面でインド北部のウッタラカンド州アグンダ村を取材した「村の誇りは発電機 貧困軽減へ『小水力』自主管理」の記事がありました。

「3女の母グディ・デビィさん(40)は電磁調理器や電気ポットが並ぶ台所で『電気が来て、村の女の苦労は激減した』と笑います。
 発電機が稼動した2006年まで、たき木を集めるのは女性の仕事でした。毎日4〜5時間かけ、森を8〜10㌔歩いたといいます。
『今は10分で炊事が終わる。蛍光灯もつく。宿題を抱えた子どもたちが灯油ランプの周りに集まる必要もなくなった』
 村の収入にも変化がありました。かって羊毛を1㌔約150ルピー(1ルピー=1.5円)で出荷していましたが、村は羊毛をフェルトに加工する機械を導入。買い取り価格は1㌔約500ルピーに上がりました。」

「発電機の設置を国連開発計画(UNDP)がインド政府の協力で03年から実施」とあります。その活動の一環としてアグンダ村(人口約450人)が手を上げ、稼動の運びとなったようです。住民参加の設置と管理だそうです。

発電も地産地消で、やっていける好見本でした。苦労の軽減という意味では、かっての日本で電気炊飯器が開発販売され、家事労働の劇的変化を生み出したことを思い出します。電子はかりや電気ポットがならぶ台所の写真をしげしげと眺めるおととなりました。印象に残る記事でした。

日曜版では昨年1年間連載まんが「今日もいい天気 PARTⅡ」(山本おさむ)が掲載されました。PARTⅠがのどかな(?)福島での生活を描いていたのに対し、3・11以降の生活破壊の現実を直視した内容でした。今年1月にパート1が、2月にパート2が双葉社から発売されるそうです。それはたいへん意味があると思いました。赤旗も内容によっては注目されているのです。

私の体験から言うと、もっと読まれる新聞になってほしいものと考えています。しかしまだ限られた読者の新聞という印象です。それはなんでだろうと思ったりもするのですが。発行元共産党のせいなのか、読者のせいなのか、まだ解けない課題です。

2013年1月4日  前荷 進