日本共産党の参院選「野党選挙協力」の姿勢を知って

3月16日付けしんぶん赤旗で、参院選野党協力についての考えを報じました。「脱原発かながわ勝手連」より寄せられていた野党の協力についての要請への回答を文書で手渡したそうです。各党の代表者宛となっている要請のようです。「お答え」の全文として報じられているものをまず紹介します。

『来るべき参議院選挙にむけて、みなさんから「『大合流』の要請」という文書を頂きました。私たち日本共産党の考えを簡潔にお答えさせて頂きます。
みなさんの要請文書は、12の「政党」にたいして、「大同団結、とりわけ比例区では大合流を、選挙区では選挙協力を」と求めておられます。その理由は「先の衆議院選挙において、原発ゼロを掲げた政党が乱立した結果、有権者の『原発ゼロ』の思いを託した票が分散し、死票が多く出たーー同じような過ちを繰り返して欲しくありません』ということです。
参院比例代表選挙は全国1区の大選挙区で、政党への支持率がそのまま議席に反映するもっとも民主的な制度であり、『死票』はきわめて少なく、すべての党が議席を増やせる可能性があります。みなさんのいう「大合流」は必ずしも鮮明ではありませんが、参院比例選挙の性格に照らして、その必要性も可能性もないと考えます。各党がそれぞれ全力を尽くして議席を増やす、そして選挙後の国会で一致点での協力を積極的に追及する(日本共産党は最も熱心にやっています)−これでいいのではないでしょうか。
選挙区での「選挙協力」についてですが、私たちは、国政選挙での政党間協力の基本的なありかたについて、つぎのように考えています。
協力する政党が中央レベルで協議し、①協力して実行する政策(内政・外交を含む国政の基本にかかわる一定の包括的な政策を明記した政策協定、②どの選挙区でだれを共同の候補者にするか、また選挙協力を具体的にどう進めるかなどの内容を含む組織協定ーこの2つの協定を結び、国民に公表して協力する。それにくわわる政党の関係は、対等・平等であり、候補者の調整もギブアンドテイクの原則にもとづいておこなう。
日本共産党とこのような協定を結ぶ条件や意志のある政党があれば、私たちは当然積極的に協議します。しかし、現在このような協定を日本共産党とかわそうという政党は存在しません。なんの協定もなしに、日本共産党の候補者をおろしたり、党籍をはずしたりすることを求めるのは、「選挙協力」とは似て非なるものです。上記の条件に欠ける「協力」は、協力ではなく、野合のそしりを免れないでしょう。
参議院選挙で、「原発ゼロ」の日本、よりよい日本への前進ができるよう、日本共産党は、みなさんとともに全力を尽くす決意です。

2013年3月15日 日本共産党

要請した12政党とは、社民、新社会、新党今はひとり、新党大地新党日本、生活の党、日本共産党日本未来の党みどりの風民主党みんなの党だそうです。脱原発原発的な政党はこんなにいろいろあったのかと私は驚いてしましましたが。

回答を読んでみて、それなりに筋をとおした文書だと受け止めました。こういう考えなのかと、知った次第です。要請に対するものとしても意を尽くす努力は払われているようです。選挙協力というものも簡単にはいかないものだなとも思いました。

これからの参議院選挙,ここの12政党ばかりではなく、自民、公明、維新もあります。また個人としても組織としても新たに名乗りをあげるところもでてくるかも知れません。昨年の総選挙では自民党が大勝しました。また、、維新の会が、なにやらわかりづらい急造合併組織で総選挙に臨み、既存政党も上回る比例票を獲得しました。

自民公明維新に比較すると、上記12政党あわせても圧倒的少数です。しかも脱原発だとしても、さまざまな濃淡があるはずです。脱原発、反原発でまとまりのある声をどう結集したり、結果に反映させたり、ができるだろうか、と考える人がいろいろいて当然です。「脱原発かながわ勝手連」のような声が今回でてきても私は不思議に思いません。

共産党の「お答え」について言わせてもらえば、回答に一理あること内容が相手とかみあう努力がされていること、は確かです。しかし、ひとこと言わせてもらえば、それで済んだ問題としてほしくはありません。

共産党の敷居はわかりました。一致点のある相手(他党を含め)にたいする態度もわかりました。でも、全国民、少なくとも脱原発を願うさまざまな人たちへの共産党の目線認識は、「お答え」の中では十分に示されていないと受け止めました。全国比例代表選挙が、国民の声をよくわかるように反映するとすれば、脱原発過半数の声であることを認めざるをえない結果を出すようにしていくことが必要なのです。それにつながる意味で12政党そのためのそれぞれの努力、結果としての伸張が求められているということになるわけです。

共産党もその中で確固とした立場をさらに固めるよう努力しているはずです。自分たちだけしか見えていないわけではないでしょうが、まだ内向きと周りから受け止められるおそれはないでしょうか。自らの得票目標では、過半数にいたらないことは確か、それも努力しなければ到達しない目標なのですから。未来を見据えていく立場なら、なおのこと、さまざまの人たちと一緒にやっていくことを自他共に思うようでなければ。「お答え」にとどまらぬ視野と見識をこれからどんどん示していってほしいものです。

2013年3月17日 前荷 進