韓国大統領3月1日演説と「従軍慰安婦」

3月1日、「3・1独立運動記念式典」でパク・クネ韓国大統領は演説を行いました。焦点は「旧日本軍の従軍慰安婦問題」です。3月2日日本経済新聞は演説の要点を伝え、さらに韓国政府の想定解決策が明らかになったとしてその内容について報じています。

朴韓国大統領演説の要点
 ・日韓関係発展の基礎は村山談話河野談話
 ・日本政府は次世代への正しい歴史教育
 ・55人の元慰安婦の生存者の傷を癒すべきだ
 ・歴史の証言を認めないなら日本は孤立
 ・ドイツの先例に従い過去の否定から脱却を

韓国政府の期待する「解決策」としての対応
 ・日本政府が法的責任を認める
 ・安倍晋三首相が謝罪する
 ・政府予算を使った何らかの支援をする

過日日本の国会で石原信雄氏が慰安婦問題で発言、河野談話の際慰安婦証言の裏づけ調査をしなかった云々とのことがマスコミで報じられました。ご本人の発言、私には首を傾げるものでした。文脈の流れの中では言えることかもしれませんが、韓国の元従軍慰安婦への「聞き取り」は行ってのうえの河野談話です。覚悟も真剣さも見えない「評論家」答弁を行ったと私は思いました。案の定、その証言を「検証」することもと菅官房長官も発言し、産経などは鬼の首をとったような論調です。安倍晋三首相等もしてやったりの気持ちになっているのではないでしょうか。

生き残って名乗り出た元日本軍従軍慰安婦が存在する、そのことと名乗り出てからの時間の経過も、限りない重みを持ったことです。韓国大統領演説の演説はそうした重みを踏まえた妥当な内容ではないでしょうか。残念ながら、これまでの安倍氏などよりよほど識見ある発言をされたようです。私を含め日本国民、よほとしっかりしなくてはならないようです。

かの橋下徹大阪市長の昨年春の「従軍慰安婦発言」、当然ながら国内外の酷評に会いました。そのなかで女性ノーベル平和賞受賞者4名の批判声明は、世界でもどのように理解されているかを日本人にも改めて伝えてくれました。橋下氏の編論弁解はそれについてはいっさいありません。勝負はすでにあったのです。

我々日本人ひとりひとりがきちんと考えそれぞれの声をこれからさらにあげていくことが、世界市民としても求められているように思っています。かくいう私もその心がけ、改めて強めたいと考えています。それは「従軍慰安婦」に限られたものでもありません。

東京の図書館で蔵書「アンネの日記」が、多数破損されていたことが最近明らかになり報道されました。犯人が誰かまだわかっていませんが、すでに大きな国際問題となっています。犯人は「確信犯」なのかあおられてかりたてられたのか、まだ不明です。しかし、日本の文化程度の実情示されました。日本と日本人は、犯人の行為で大恥をかいたのです。それに気がついているのかいないのか、マスコミの論調、淡々としているように思えてなりません。

2014年3月2日 世話人