神戸地裁、中国「残留日本人孤児」に国の責任認める判決

太平洋戦争敗北の混乱の中で、中国東北部に置き去りにされた残留日本人孤児で、身元がわかり永住帰国した人たちは約2500人と言われています。そのなかの8割以上の2200人が、全国15地裁で提訴を行っています。

「せめて普通の日本人と同じ生活保障と老後の待遇を受けたい」という悲願から起こされました。

そのひとつ神戸地裁で、12月1日に判決がでました。橋詰均裁判長は、兵庫県内の中国「残留日本人孤児」65人が起こした国家賠償請求を求める裁判で、国の責任を認める判決を出しました。

判決では戦前の政府の政策の問題点を指摘し、責任ある国が「早期帰国や帰国後の自立支援の義務を怠った」との原告側の主張を認めました。国の責任を認め、61人に対し、計4億6千万円の賠償を支払うことを命じています。

戦争では中国人、朝鮮人を強制連行して日本で働かせるなどの反面、敗戦の中、多数の子供達を孤児として残留させてしまう事態も引き起こしていたのでした。帰国した孤児たちがたまりかねて起こした訴えが、粘り強く続けられていることが、今回のマスコミ報道でも改めて示されました。

以上 (与謝名 阿寒) 061203